種族のモンダイ [日記]
「あーあ・・・!」
大あくびをしながら久しぶりにシシィがギルドに顔を出した。修行し直しを決意してからだいぶ過ぎるが、未だにレベル5止まりでハーバーをウロウロしているらしい。
「どうしたの?」
不思議に思ったカーナが声をかける。
「長老に怒られちゃってさぁ。『いつまでふらふらしてるんだぁ!』って。」
怒られたわりにはシシィは楽しそうだ。
ハーバーで冒険者達の動向に目を光らせているドラウの長老と、シシィはなぜか仲がいい。よく顔を出しては話をして来るらしいのだが、最近はほとんど顔も出さずにねぐらでのんびりしたり、たまに誰かのかわりにコレクターとアイテム交換に出向いたり、そんなことしかしていなかった。それで久しぶりに顔を出したところ、怒鳴られてほうほうの体で逃げてきたというわけらしいのだが、長老の怒鳴り声など、シシィにとっては子守歌のようなものだ。
「ま、私もそろそろ動き出さないとね。そう思ってちょっと景気づけに怒鳴られてきたわけよ。でも長老も変わんないわよねえ。いくら長生きだって、あんまり怒りすぎるといきなりぽっくりとかいきそうだから心配してるんだけどねぇ。」
「・・・まさかと思うけど、それを長老に言った?」
カーナが不安げに尋ねた。
「うん。そう言ったらまた怒りだしたのよ。せっかく気を使ってあげてるのに、失礼よね。」
「ま・・・まあ、怒ると思うわ・・・誰でも・・・。」
「そう?うーん、てことは、自覚してるのかな、自分が年寄りだって。ま、長老って言うくらいだから、ドラウの中でもかなり長生きだとは思うけどね。」
「でもあなたのことは気に入ってるみたいじゃないの?だからあれこれ心配してくれるのよ。私も、あなたはそろそろ活動再開したほうがいいと思うな。」
「何よ、カーナだってすごくのんびりじゃないの。」
「いきたくても、私の力じゃいけないところも多いのよ。あなたは元々私よりも力はあるんだし、このまま順調にレベルアップしていけば、あのジャイアント達のトラブル解決にも一役買えると思うわ。」
「ジャイアントねぇ・・・。覗いてみたけど、奇妙なところよね、あそこも。」
「そうね。だいぶひどい戦争があったみたいだから。」
「ジャイアントホールドかぁ・・・・おもしろいところみたいだけど、行けるようになるのはだいぶ先ねぇ。」
「あなたならすぐよ。ノイラだって修行し直しを決めてからすごい勢いでレベルアップしたし。」
「私はノイラほど真面目じゃないもん。でも、いつまでもこのままでいたら、みんなに預けた装備がいつまでも身につけられないし、邪魔になっちゃうわね。もう少しがんばろうかな。」
「ぜひそうして。オディールもケイリアもあなたのレベルに追いつきつつあるし、ミンもがんばってるんだから。」
「うーん・・・トーリルから来たあなた達よりも、オディールとケイリアに先を越されるのはちょっと悔しいな。それじゃ早速出掛けてくるわ。」
「行ってらっしゃい。」
パーティー募集を見つけて早速出掛けていくシシィ。
「・・・行ったみたいね。」
ギルドの奥から、ランフィアが顔を出した。
「行ったわよ。ようやっと腰を上げる気になったみたい。」
「やっぱり説得はあなたのほうが上手だわ。」
「あなたの言うことを聞かないわけでもないでしょうに。」
「トーリルほどではないにしても、エベロンでもエルフとドラウの間にはちょっと複雑なものがあるのよ。私はドラウの長老からも少しは認められているから、シシィもそれなりに話を聞いてくれるけど、ケイリアとは距離を置いてるみたいね。」
「でもトーリルのドロウとエルフみたいに憎み合ってるわけではないし、そのうち分かり合えるわよ。」
「だといいんだけど。」
仲間が増えたことは喜ばしいことだが、それなりに問題も出てきている。トーリルからやって来た姉妹達とエベロンのドラウであるシシィとオディールは仲がいいのだが、ランフィアとケイリアには、2人とも進んで近づこうとはしない。話しかければ気軽に応じてくれるし、オディールは自分で試した呪文の効果についていろいろと教えてくれたりもするのだけど・・・。
大あくびをしながら久しぶりにシシィがギルドに顔を出した。修行し直しを決意してからだいぶ過ぎるが、未だにレベル5止まりでハーバーをウロウロしているらしい。
「どうしたの?」
不思議に思ったカーナが声をかける。
「長老に怒られちゃってさぁ。『いつまでふらふらしてるんだぁ!』って。」
怒られたわりにはシシィは楽しそうだ。
ハーバーで冒険者達の動向に目を光らせているドラウの長老と、シシィはなぜか仲がいい。よく顔を出しては話をして来るらしいのだが、最近はほとんど顔も出さずにねぐらでのんびりしたり、たまに誰かのかわりにコレクターとアイテム交換に出向いたり、そんなことしかしていなかった。それで久しぶりに顔を出したところ、怒鳴られてほうほうの体で逃げてきたというわけらしいのだが、長老の怒鳴り声など、シシィにとっては子守歌のようなものだ。
「ま、私もそろそろ動き出さないとね。そう思ってちょっと景気づけに怒鳴られてきたわけよ。でも長老も変わんないわよねえ。いくら長生きだって、あんまり怒りすぎるといきなりぽっくりとかいきそうだから心配してるんだけどねぇ。」
「・・・まさかと思うけど、それを長老に言った?」
カーナが不安げに尋ねた。
「うん。そう言ったらまた怒りだしたのよ。せっかく気を使ってあげてるのに、失礼よね。」
「ま・・・まあ、怒ると思うわ・・・誰でも・・・。」
「そう?うーん、てことは、自覚してるのかな、自分が年寄りだって。ま、長老って言うくらいだから、ドラウの中でもかなり長生きだとは思うけどね。」
「でもあなたのことは気に入ってるみたいじゃないの?だからあれこれ心配してくれるのよ。私も、あなたはそろそろ活動再開したほうがいいと思うな。」
「何よ、カーナだってすごくのんびりじゃないの。」
「いきたくても、私の力じゃいけないところも多いのよ。あなたは元々私よりも力はあるんだし、このまま順調にレベルアップしていけば、あのジャイアント達のトラブル解決にも一役買えると思うわ。」
「ジャイアントねぇ・・・。覗いてみたけど、奇妙なところよね、あそこも。」
「そうね。だいぶひどい戦争があったみたいだから。」
「ジャイアントホールドかぁ・・・・おもしろいところみたいだけど、行けるようになるのはだいぶ先ねぇ。」
「あなたならすぐよ。ノイラだって修行し直しを決めてからすごい勢いでレベルアップしたし。」
「私はノイラほど真面目じゃないもん。でも、いつまでもこのままでいたら、みんなに預けた装備がいつまでも身につけられないし、邪魔になっちゃうわね。もう少しがんばろうかな。」
「ぜひそうして。オディールもケイリアもあなたのレベルに追いつきつつあるし、ミンもがんばってるんだから。」
「うーん・・・トーリルから来たあなた達よりも、オディールとケイリアに先を越されるのはちょっと悔しいな。それじゃ早速出掛けてくるわ。」
「行ってらっしゃい。」
パーティー募集を見つけて早速出掛けていくシシィ。
「・・・行ったみたいね。」
ギルドの奥から、ランフィアが顔を出した。
「行ったわよ。ようやっと腰を上げる気になったみたい。」
「やっぱり説得はあなたのほうが上手だわ。」
「あなたの言うことを聞かないわけでもないでしょうに。」
「トーリルほどではないにしても、エベロンでもエルフとドラウの間にはちょっと複雑なものがあるのよ。私はドラウの長老からも少しは認められているから、シシィもそれなりに話を聞いてくれるけど、ケイリアとは距離を置いてるみたいね。」
「でもトーリルのドロウとエルフみたいに憎み合ってるわけではないし、そのうち分かり合えるわよ。」
「だといいんだけど。」
仲間が増えたことは喜ばしいことだが、それなりに問題も出てきている。トーリルからやって来た姉妹達とエベロンのドラウであるシシィとオディールは仲がいいのだが、ランフィアとケイリアには、2人とも進んで近づこうとはしない。話しかければ気軽に応じてくれるし、オディールは自分で試した呪文の効果についていろいろと教えてくれたりもするのだけど・・・。
2007-10-16 22:38
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